『笑いのある世界に生まれたということ』

『笑いのある世界に生まれたということ』

購入申請出したからには読みますと、図書館でそのまま、読み切ってきました。意外と内容がライトで、びっくりでしたね。



・笑いは快楽物質

・緊張と緩和理論

ー真面目な文脈や緊張した状況が緩むと、人は生理的に笑ってしまう→緊張した状態を作る

ーフリ=方向性を決める

・裏切りの理論

ーオチが裏切りというのが多い =ギャップ

・共感の理論

=あるある!そうそう!わかるわかる!

ーテツandトモの「なんでだろ〜」がその例

脳科学の視点からも

・単純接触効果でじわじわ笑える

・やっぱりベタ

・偏差値より地アタマ

ー経済的な成功者は偏差値が高くてもなれない


快楽を自ら制限しなければ、快楽に殺される。

そんな時代を作り上げてしまった、皮肉な構造

健康な喜びを忘れている現代。

笑いがあることを思い出せ。



以上、簡単な内容まとめ。

文体としては、完全な対話形式で、兼近自身が医者でないので、誰も置いていかれることなくスラスラと読んでいける。

あまり深い話をしていないといえばそうも思うが、兼近が関わっているため読んでみた。

やはり話は、体験や価値観が乗ってこそ、おもしろいと感じる気がする。

ダジャレだけをパッときいて笑わないように、文脈の中で何を見るか聞くかがおもしろさの重要な部分だと。

笑いについて、様々な話題を扱っている(話の中で触れられている)が、

おもしろく感じたのは最初のほうの、笑いは快楽物質、笑いはHappy Drug などのお話。

笑いは誰もが求めるものだし、依存する。お金や時間を使ってまで笑いを求めていると。

そうだなと。なんでもそうじゃんとも思った。

笑いがどれだけ重要かは脳の構造からみても明らかで、刺激的でドーパミンがでるらしい。

笑いが重要なのはわかってる話だけど。改めて、医学の専門的な解説を交えて、分解して、わかりやすく教えてくれてる。

そのあとは、兼近からの笑いをもたらすには?みたいなお話。笑いの構造を兼近なりに分析し解説している。

その次には、脳科学の観点でお笑い芸人たちについて解釈していってる。でも例示があって、説を紹介したり、事実を用いた分析がされたりしている。地頭の話だったり、、。

でも、1番読んでよかったのは「おわりに」。

兼近の視点、価値観がわたしは好きだからかもしれないが、実際感じることや響くことが多くの人にあるだろうと思う。語り口も優しくて心地がよいのでぜひ。